ライナーノート(3/3)

YANA



   最後になるが、このアルバムの成立過程につき一言付言しておきたい。このアルバムは、ローランド社の新製品であるSC-8850の発売前に同SC-88Proのための専用データとして制作が開始され、一応の完成をみたものである。完成直後に前述のSC-8850が発表・新発売されたことから一部発売スケジュールを延期し、新しい音源に対する互換性の確認およびファイルの一部修正作業に時間を費やした。このたび、「どちらの音源で聴いてもとりあえずは大丈夫であろう。」というところまで作業が進捗したため、延期を重ねていたこのアルバムの発売に踏み切った次第である。


 ただ残念ながら、現在においては、既にローランド社より「曲データによっては楽曲の再現性が異なる場合がある」旨が公式に発表されている。その点では最善を尽くしたつもりではあるものの、このアルバムに収録されたデータを再現した場合にはSC-88Pro、SC-8850で結果が微妙に異なるのも事実である。(私どもとしては、可能な限りSC-88Proでご鑑賞いただくのが望ましい。)従ってオーディオ・トラックに収録された演奏についても、音源にはSC-88Proが使用されていることをお断りしておく。


 上記のように、制作にかかってより今回の発売に至るまで困難な状況が続いたが、作業を進めるにおいても、また様々な決断を下さねばならない状況下においてもアイズの加藤取締役、奥久社長には精神的にも、また煩雑な事務の上でも大変なご支援をいただいた。とりわけ勇気付けられ、また尻を叩かれもしたのは加藤氏の「この曲が好きだ。何とかして全曲のMIDIデータを発売したい。」という熱き思いであった。今この場をお借りして厚くお礼を申し上げたい。


1999.9.10 YANA(Studio YANA主宰)


BACK(戻る)


 



TOP