Generative Music 1
Brian EnoによるKoanピース集
現在、音楽の世界にはCD等で提供されるような、録音あるいは記録された音楽(Recorded Music)があり、一方でライブパフォーマンス等の、演奏される場で楽しむ音楽(Live Music)があります。しかし、この作品が提供するのはその場で生成される音楽(Generative Music)であり、これはずっと昔にはごく普通に行われていたものです。例えばアフリカ原住民の演奏する力強いパーカッションの演奏などは独特の雰囲気を持っていますが、決して決められた音符を演奏していることはなく、演奏するごとに必ず違っています。現在のように楽譜もテープレコーダーもコンピューターもなかったのですから、これは当然のことといえます。英国のSSEYOが開発したアンビエント・ミュージック生成プログラム「Koan Pro」はまさしくこの考えを現代のコンピュータによって再現しています。作り手はその音楽の"構造"や"世界"を自由に作ることができますが、演奏される1つ1つの音は同じにはなりません。これは自由度がないのではなく、完成されたただ1つの楽譜、またはただ1回の録音といったものから解放されるという素晴しい自由が与えられたということなのです。ミュージシャン/プロデューサーであるブライアンイーノはこの画期的なソフトウェアによってなんと自身の最新作品集を発表しました。それがこのGenerative Music 1なのです。尚、本作品の再生にはKoan Pro本体は必要ありませんが、Creative Labs社のサウンドカードSound Blaster32/AWE32が必要です。
「Generative Music(その場で生成される音楽)と呼ばれるようなタイプの音楽は今までにもすでにいくつかありました。しかし、それらは限られたごく一部の範囲でしか存在していませんでした。風によって音を発するウィンドチャイムもその一例ですが、この場合作り手が演出できるのはそのチャイムを選ぶ(音を決める)だけです。しかし、最近シンセサイザーやコンピューターのポピュラーな進化から枝別れして、こうした分野でも色々とユニークなツールが誕生してきています。SSEYOのKoan Softwareはその中でも最も興味深いものの一つで、風がウィンドチャイムを即興演奏するようにコンピューターが即興演奏を受け持つのですが、演出のためのパラメーターはおよそ150にも及びます。
私はこのシステムを来るべき新時代の音楽の象徴ととらえています。100年前までの音楽では、録音というものがありませんから演奏は実際にその場で楽しんでいました。それらは決して2度と繰り返されることのないはかないものであり、記譜も完全に正確な再現を約束するものではありませんでした。それが畜音機の発明とともに、ある1度の演奏が何度でも繰り返し正確に再現されるようになってきました。
しかし、現在私たちには以下の3つの選択があります。Live Music(ライブによる音楽)とRecorded Music(録音された音楽)とGenerative Music(その場で生成される音楽)です。Generative Musicは今までの歴史に恩恵を受け、両方(Live&Recorded)のいい部分を楽しめるものです。いつでもどこでもあなたが聴きたい時、聴きたい場所でそれを聴くことができます。
私は現実にありそうなこととしてこんなことを想像してしまいます。私たちの孫がある日こう言うのです。"ねェ、おじいちゃん。おじいちゃん達の若い頃って本当に同じ音楽を何回も聴いていたの?"」
-Brian Eno ,1996-
「全12曲の作品はそれぞれ違った個性を持っています。痛ましい程暗く悲痛な"DensitiesIII"から透き通った響きをもつ"Lysis(Tungsten)"まで、幅広いアンビエント作品が収録されています。また、各作品は様々なスタイルによって作られています。"Komarek"の鋭くとがったメロディーは初期のシェーンベルグ作品をイメージさせますし、"Klee 42"のシンプルなポリフォニーはルネッサンスの様式に似ています。しかし、このGenerative Musicの最も素晴しいところは、それらが2度と同じようには演奏されないということです。」
-CSJ Bofop,March 1996-
商品コード | 製品名 | 価格 | JANコード | Media |
EYS015 | Generative Music 1 | ¥14,490(本体価格\13,800) | T4517634-003957 | FD(WIN) |
動作環境
Windows3.1またはWindows95、IBMコンパチブル 486 33MHz以上のコンピュータ、3MB以上の空ハードディスクスペース、5MB以上の空メモリ、Sound Blaster 32/AWE32が必ず必要です。
NISKALA |
FLOAT |
AMORPHOUS |
SSEYOのページへ